2016年12月23日金曜日

没食子インクと羽根ペンスケッチ(つづき)



ドイツのメーカー,ROHRER&KLINGNER ローラー&クライナーの「サリックス」という

没食子インクで描いてみた。羽根ペンで紙に線を引くと,明るいブルーの色合いがきれい


なインクだ。画像では,分かりにくいが,没食子インクの特性で,空気と光に触れて時間が


経つとブルーが少し落ち着いた色に変わっていく。紙は,モロー水彩紙の粗目を使用した。


羽根ペンの軸先を使って線描した後で,その一部を少し薄めた没食子インクで滲ませて


みた。前述の土井原氏の講座では,精製水で薄めたインクを羽根の先の部分に付けて描


いていくと,前に線描したところも滲ませることができることを紹介されていた


面としての表現,遠景の表現なども,こうしたやり方で描けることが分かる。


2016.12.17. 没食子インク(サリックス),羽根ペン,モロー水彩紙粗目,F6    

2016年12月20日火曜日

没食子インクを使った羽根ペンスケッチ

パンジーの素描(羽根ペン)  A4



先日,東京で講座を受講してきた。日本美術家連盟が主催した「西洋古典インク(没食子インク)と

羽根ペンによる素描」という公開講座だ。講師の土井原氏(高知大学)が,西洋の没食子(もっしょ

くし)インクの製法をもとに,日本国内で手に入る材料から自作した没食子インクを使って,羽根ペ

ンによる素描を体験した。

1.没食子インクの処方,材料等の製法について

2.羽根ペンの制作

3.パンジーの素描,ルネッサンス巨匠の素描模写

4.講評

という流れで進められたが,没食子インク(西洋古典インク)の色合いが,その性質の為に変わっ

ていく様を目の当たりにする貴重な経験をすることができた。羽根ぺんの柔らかさと没食子インク

特有の色合いとが,大変興味をそそられる内容だった。羽根ペンで線を引くには,コツがあるよう

で,使い慣れていかないと難しいものを感じた。

その後,市販されている外国製の没食子インク(ブルーブラックと紫色)を通販で買い求め,土井原

氏が制作された没食子インクとの違いなど確かめてみた。土井原氏の話では,身近な材料からで

も,没食子インクを自作できるようなので,機会があれば試してみたい。(つづく)

2016.12.17. ハーレミューネ A4 羽根ペン  没食インク(土井原氏 製)