2008年5月25日日曜日

風合いのある紙肌を生かす・・キャンバスペーパー

                    図15

ミューズから「ニュー・キャンバスペーパー」というブロックタイプのスケッチブックが出ています。私が使っているのはF4サイズの大きさで、四方を糊着けしてあるので「水張り」することもなく気持ちよく使えます。紙の表面はエンボス加工してあり、キャンバス地のような肌触りになっています。アクリルやコンテ、パステルなどの用途に向いているようですが、私の場合これを水彩画に利用しています。

ダーマトグラフで描いた線にも変化があり、表面の紙肌の模様が絵の具と微妙に溶け合って、風合いのある仕上がりになるように感じています。「重ね塗り」や「滲み」「ドライブラシ」などの技法にも合ってるが、やはり「風合いのある紙肌を生かせる」というのが一番良いところではないかと思います。

毛の短い動物の肌や骨格、筋肉の動きなど表現するのに適しており、最近よく試みている画材の一つです。



            ラッテンベルグの町並み(2007.8) 図16

2008年5月24日土曜日

ガッシュを使う・・・水筆で色を抜く

                           図13

久しぶりにガッシュを使ってみた。ケント紙の極厚口(中性紙・180k・B5)というのがホルベインから出ている。これにダーマトグラフ(黒)で薄く下書きし、その上からガッシュの茶系の絵の具をたっぷりの水で溶いたものを塗り、それが乾かないうちに濃い目の茶色系を滲ませていく。使った絵の具は、ローアンバー、バーントシェンナ、ウルトラマリンディープの3色(holbein artists' gouache)だけ。


滲ませた絵の具がほとんど乾いてから、水をふくませた筆で色を抜き取っていく。胴体の部分は体のふくらみにそって筆を動かし、白くぬいたところが骨格や筋肉の動きを表すようにしてみた。脚の脛やひずめの部分なども絵の具を抜いて、毛並みの明るさや爪の硬さなど表現できるよう思う。


他の水彩紙(アルシュ、キャンバスペーパー、キャンソンファインフェースなど)でも同様に試してみたが、「色を抜く」という点では、紙肌の滑らかなケント紙が一番相性が良いようだ。あまり紙厚の薄いものでは、絵の具を擦り取る作業には不向きで、表面が毛羽立ってきてしまう。この点、ケント紙(極厚口)は、それに向いているようで、紙の繊維に染み付いた色を抜き取るのもやりやすい。



                              図14