2009年1月31日土曜日

色数を抑えて表現する


対象となる「風景」を見て、極力、色数を抑えて表現する練習をしてみた。
魅力ある風景を前にすると、どうしてもその色彩の方にに目を奪われがちになる。とりわけ、刺激的な色合いが見えてくると、その色に引っ張られて惑わされてしまうことがある。四季の中でも、紅葉の季節は、苦手である。あの鮮やかな黄やオレンジ、紅色など、うまく描き表わせなくて、秋のシーズン、紅葉は、描かないようにしてきた。
ここでは、あえて、色数を抑えて書き表す練習をしてみたいと考えた。ヴェネツィアの風景は、どこを見ても絵にしたいと思う所ばかりで、その雰囲気に圧倒されてしまうが、運河の見える風景を、心しずかに眺めながら、色彩よりも、明暗に中心をおいて捉えなおしてみることにした。
「ヴェネツィアンレッド」「イエローオーカー」「ペインズグレイ」の3色だけを使い、もっとも明るい部分から、最も暗い部分まで、およそ5段階ぐらいに明暗をわけ、3色の混合と、「重ね塗り」の技法を使いながらかきあげたのが、上の作品(F6)です。
仕上げてみると、もう少し暗部の色味を強調した方が良かったかにもみえるが、習作としては、これからの課題が見えたようにも思う。「バーントアンバー」1色にして、明暗だけでかきわける事もためしてみたいと感じた。褐色系の色彩での表現としては、「ポール・シニャック」による素描作品が、私は好きだ。彼の作品については、次回にまとめてみたい。

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