図19
「クロッキー講座」の2日目。鉛筆に代わって、「割り箸ペン」を使ってのクロッキーをする。
割り箸ペンは、身近なところで手に入るものでよく、インクの吸い込みと持ちの良いものが使いやすいという話を聞く。竹素材などの高級なものより、蕎麦屋やコンビニ弁当についてくるようなものを、良く削って、先を細長くして使う。持ち方は、鉛筆持ちではなく、ペインティングナイフのように上から被せたような持ち方をして描く。
はじめのうちは、なかなか思うように手が動かなくて、微妙な線が引けなかった。ペン先に付けるインクの量の加減もなれないうちは、うまくコントロールできず、「溜まり」を作ってしまったり、極端に線が太くなったりした。午前中1時間あまり、この割り箸ペンに慣れるのを目標に描きつづけ、それから、絵の具で彩色した。時間は、10分間で1ポーズずつ、クロッキーを繰り返した。5分程でクロッキーをして残りの時間で彩色していくペースだ。
彩色については、クロッキーの線に当てはめていくような塗り方ではなく、線をはみ出しても良いという指示だった。色使いも固有色にとらわれることなく、モデルの雰囲気やイメージを表現していくようにということだった。私の場合、普段から、水彩絵の具でスケッチや風景画を描いていたので、色を付けることは楽しい作業だったが、これが以外にも落とし穴になった。
それは、色の表現の方が、線の表現よりもインパクトがあるために、色にこだわりすぎると「クロッキー本来の線の魅力」が削がれてしまうということだ。描いていくうちに、どうしても色の方に目が向いてしまい、気がつかないうちに塗りすぎてしまう、そういう落とし穴があった。
2日目は、まだ、それには気づかずに、10分のなかで、どうやって割り箸ペンを扱い、彩色まで仕上げるかに汲々としていた。
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