2008年4月18日金曜日

好きな絵を模写する


    クロワ=ド=ヴィ(ポール・シニャック)1929年 水彩 鉛筆 図9


               クロワ=ド=ヴィ(模写)  ペン 水彩 図10


  イル=オー=モワンヌ(ポール・シニャック)1929年 水彩 鉛筆 図11



             イル=オー=モワンヌ(模写) ペン 水彩 図12
好きな画家の絵を模写して、その手法を探求し何らかの成果を手にすることができたら、こんなに楽しくて有意義なことはない。模写するのなら、形から色彩の細部まで徹底して本物に近づく努力をするほど、その成果も大きいといわれる。
ポール・シニャックは、1863年に生まれ、1935年72才で亡くなっている。スーラと共に「点描画法」の油彩画家として知られているが、彼の水彩画は油彩の作品ほど広く理解されていないのではないかと思う。私が、シニャックの水彩画を初めて見たのは、交友のあったゴッホの素描展の図録『ゴッホとその時代 ゴッホ素描展2000年』で、「芸術橋の風景」(1928年)という絵をみつけたのが最初だった。
それ以来、何かとても気になる画家の一人だったが、今から6年前の2002年、山梨県立美術館でシニャックの水彩画展『海に吹く東風 水彩に見る新印象派』を見る機会があった。ほとんどの作品が7~80年前の作品で゛、中には100年もたっているものもあったが、その色彩と線描の強烈な印象が今でも忘れられない。
その年の夏にかけて、シニャックの模写を20枚ほどしながら、「重ね塗りを拒絶し並列したタッチで描く」「滑らかな肌合いの紙を使用し余白を残すことで紙の白さを見せる」「色価はパレットから紙面へと直接的に移されるべきもの」という彼の画法を探求することに挑戦してみた。図9~図12までが、その一部であるが、彼の水彩画法の詳細は、まだ、分からないというのが正直なところだ。
シニャックは、彼の水彩画の仕事を通じて、三人の画家を賞賛している。(ターナー、ヨンキント、セザンヌ) そのうちの一人、セザンヌの影響を受けていると思われる3つの作品『静物』に表現されている色彩や線描の美しさは、セザンヌとはまた違う彼独自の魅力を今に伝えているように思う。



2 件のコメント:

nge さんのコメント...

初めまして、最近ブログをはじめました。
素晴らしいブログに出会いうれしく思います。取り組み方が違いすぎるのに驚いています。お付き合いいただきたくお願いします。
nge

syo813 さんのコメント...

neg様
nge絵日記、拝見させていただきました。墨で描かれたスケッチがとても素敵ですね。墨の濃淡で表現されているところが、雰囲気が伝わってきます。私も「町並みや風景」が好きなものですから、楽しませてもらいました。
これからも描き続けていらっしゃると思いますので、また、見せていただきます。これからも、よろしくお付き合いください。
              syo813